子どもの能力をほめないで!

 よかれと思って子どもにしたことが逆効果になることがあります。ある心理学者が子どもたちに知能検査を行い、検査のたびに「あなたは頭がいいね」と能力をほめました。すると子どもたちはボロを出すまいと新しい問題を避け、ごまかし、成績も落ちてしまったのです。これが「人の能力は生まれつきで一生変わらない」というこちこち(固定)能力観の始まりです。

 

この子どもたちは「能力がほめられること」だけに関心があるので、こつこつ努力することを嫌い、自分を成長させることに無関心です。さらにこの能力観が大人になってから仕事や人間関係など、つまり人生の足を引っ張ってしまうこともわかってきました。*参考資料『「やればできる」の研究』(Carol Dweok著 草思社) 

しなやか(変動)能力観のすすめ

 これに対してベイシック・スタディの生徒は、むずかしい問題も嫌がらずに挑戦します。これは「自分の能力は伸び続ける」というしなやか(変動)能力観を持つ子の特徴です。指導者は子どもたちをほとんどほめません。

 この学習システム(らくだメソッド)には自分から学習できるようになるための様々な仕組みがあります。例えば学習記録表。子どもたちは学習結果を毎日記録するので自分の状態や問題がよくわかっています。すると指導者が、ほめたり叱ったり励ましたりしなくても、子ども自身が次に何をすればいいかを自然に判断できます。こうして自分自身の自発的な学習が始まり、その中でしなやか(変動)能力観が育っていくのです。